MAO阻害剤


MAO阻害剤について、本編では必要以上に小難しく語られており、最も重要な仕組みが理解できない可能性がある。
ここでは、考察の『導入』の意味も込めて、MAO阻害剤について見直してみることにしよう。


 MAO阻害剤の効果を一言で表すと
まずは、MAO阻害剤の効果についてシンプルな言い回しに変換してみるとしよう。
論理的なところは省略するが、簡単に言えばこういうことである。

 48時間以内に飲食を行った状態で、MAO阻害剤を摂取すると危険。

モノアミン酸化酵素やらチラミンやら小難しい説明は無視して、このように解釈して差し支えないだろう。


 3日目に食事をとるとなぜ死ぬのか?
さて、5日目の朝、悟はMAO阻害剤を大量に飲んでしまう。
もし、ココロ編3日目に悟の体が夕食をとると、それから35時間程度しか経っていない5日目の朝は危険ゾーンに入ってしまっているのである。
このため、3日目に食事をとると死んでしまうのだ。

まあ、4日目で榎本に勧められてコーヒーを飲む場合もあるのだが、これは口にした量が僅かなため、危険には結びつかなかったと考えられる。


 幻覚剤DMTとは?
5日目の朝から体が自由に動かないのはMAO阻害剤が原因ではない。
MAO阻害剤と同時に摂取した幻覚剤DMTが原因である。

ここで、幻覚剤DMTについて、簡単に特徴を説明すると――

 MAO阻害剤と同時に摂取しないと効果が現れない幻覚剤。

つまり、幻覚剤DMTのために穂鳥はMAO阻害剤を持ってきたのである。


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