ユウキドウ計画失敗エンドはなぜ失敗なのか?


サトル編7日目、第3地点こと穂樽日の地下施設を訪れる。
だが、その地下施設の中に足を踏み入れると、閉じ込められてしまい、その時間軸上での優希堂と榎本に出くわす。
彼らは計画が失敗したと告げ、悟を『後始末』として殺してしまう。

そのシーンのシーンタイトルは『Apoptosis』。
エンディング名は『ユウキドウ計画失敗エンド』。

何故、失敗なのだろうか。何故、悟は殺されなければならないのだろうか。
ここではその理由について考えていこう。


 全ては計画のために
もし、悟が殺されずに見逃されていたらどうなったであろうか。
地下施設は既に転移済みなので、そのまま外に出たらそこは穂樽日だ。

ここで、ユウキドウ計画の最終レベルの考察について思い出して欲しい。
最終レベルでは、7日目と1日目をそっくり入れ替えるのだが、もし穂樽日を彷徨っているうちに最終レベルが発動したら、プレイヤーの意識はどうなるであろうか。

(キンパツ)の肉体は1日目に転移するが、プレイヤーの意識はそのままである。そこには悟の肉体はない。
プレイヤーの意識は肉体から剥がされ、憑依する肉体のない状態のまま放り出されるだろう。
何の前触れもなくそのようなことが起こったら、プレイヤーはどう思うのだろうか?

いきなり自分の肉体が消え、意識だけの状態になる――少なくとも不審に思うことは確かだ。
もしかしたらそれが原因で、ユウキドウ計画そのものを見破ってしまうかもしれない。

または、このような不自然な状態が起こらないように、最終レベルが発動してもプレイヤーの意識は肉体とともに1日目に戻る可能性もある。
だがこの場合は、ユウキドウ計画の無限ループから抜け出したことになってしまう。

いずれにせよ、悟を放っておいたら、プレイヤーが無限ループから脱出し、ユウキドウ計画が失敗してしまう恐れがあることだけは確かだ。
だから、殺さざるを得なかったのだ。

悟が殺されれば、自然にプレイヤーの意識が肉体から離れる。
そして、プレイヤーはこう思うだろう。

 悟が殺されてバッドエンドになってしまった。やり直しだ。

そうして、時間をさかのぼり、バッドエンドを避けるように進むわけである。

もちろん、無限ループからは、抜け出せない。


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