テラバイトディスクを見た場所
スフィアにはパソコンがある。
だが、そのパソコンには『本体』が見当たらない。
それはどうやら、LANケーブルで繋がっている端末に過ぎないのだ。
パソコンにはキーボードやマウスの類はある。
だが、テラバイトディスクを読み出せるようなメディアは見当たらない。
つまり、このパソコンでテラバイトディスクを読み出すためには、別のコンピュータを使わなければならないのだ。
そんなものがスフィアにあるとすれば、地下の小部屋しかないだろう。
ゆにと内海は、おそらくそこで見たのだ。
だから、彼らは榎本と面識があったことになる。
その証拠に、榎本が殺害されたとき、ゆにや内海はこころと違い、殺害された人物が『誰?』というような疑問を持っている様子はない。
テラバイトディスクを見た時間
次に、テラバイトディスクを見た時間について。
内海も言っていたが、1日目でこころ意識が鏡を見た後、悟意識が目覚める前後まで(胎児α意識が眠っている間)、とのこと。
さらに、本編中にはもう一回だけテラバイトディスクを見に行ったような記述がある。
それはココロ編2日目の朝食後、ゆにを探しても見つからなかったこと。
ゆにはテラバイトディスクを見るために地下へ降りていたのだろう。
この後、悟意識でゆにの部屋を訪れるのだが、悟が来るまでの間ゆにと内海は何やら話しこんでいたようである。
おそらく、テラバイトディスク関連の話であろう。
ちなみに、このことは地下の小部屋でテラバイトディスクを見たことの裏付けにもなるだろう。
テラバイトディスクの内容の概要
内海によれば『何ギガバイトにも渡る膨大なテキスト』がテラバイトディスクにはかかれていたという。
では、テラバイトディスクにはどこまでの情報が書いてあったのだろうか?
とりあえず、本編で語られたところについてまとめてみよう。
まず、悟のことが書かれていた。
名前や、DIDに陥っていることをはじめ、黛の恋人だったことなども書かれていた。
次に、ゆにのこと。
なぜ、スフィアにゆにがいるのかという疑問に対して、
楠田ゆには存在すべくして存在する。
とのことだ。
その他、極めて説得力のある内容が、延々と書かれていたという。
内海やゆににしか知りえないことが、克明に、詳細に渡って……。
テラバイトディスクの目的
テラバイトディスクに書かれていた内容は全てが真実とは限らない。
まず、悟の名前や彼がDIDということはテラバイトディスクで得た情報である。
だが、これは実際には間違いであった。
前ページの考察『歴史は変わらない?』にあったカーリーの思い込みも同様。
真実はどうであれ、実際に雪崩が起きたことを示したのはテラバイトディスクである可能性が高い。
これらの虚偽の内容は、『プレイヤーにとっての歴史』の整合性をもたせるためには必要であった。
全てユウキドウ計画のため、都合のいい方向へと導いていたのだ。
どこまで書かれていたのか?
サトル編エピローグで、ゆには『テラバイトディスクの内容は悟が良く知っているはず』だと言った。
この発言は――
テラバイトディスクをグラサン (悟)自身が作ったか、
グラサンはテラバイトディスクの内容をすでに見ている、
ということを示すと思われる。
ループする多世界の解釈を考慮すれば、後者の『グラサンはテラバイトディスクの内容をすでに見ている』と言う意味で捉えたほうがいいのだろう。
グラサン達はユウキドウ計画の前にテラバイトディスクの内容を知っていた。
とすれば、2011年のゆにが救助隊に救出された後で、ゆにとグラサン達は 接触していると言うことだ。
そこでグラサン達の計画や時空間転移に関する情報と、2011年のゆにが体験した未来の情報を交換したのだろう。
だが、お互いの目的のために、互いにいくつかの情報は伝えないようにしたものと思われる。
このように考えた場合、テラバイトディスクにはここまでの考察で挙げたもの程度の内容しか含まれていなくとも、物語 (ユウキドウ計画)が破綻することはないと考えられる。
テラバイトディスクの作者
テラバイトディスクの主な目的は、ユウキドウ計画の補佐。
とすれば、これを作ったのは、グラサン達やゆにと言うことになる。
本編にもあるように、テラバイトディスクは2011年と2012年との間をぐるぐるぐるぐると無限に巡っている。
テラバイトディスクは、無限に繰り返される歴史の遥か彼方で作られたことになる。
始まりの世界と言える時点でテラバイトディスクが作られ、無限に巡る世界の中で少しずつ書き加えられたのだろうが、その経緯を詳しく知る術はない。
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