時計台から悟を突き落としたのは誰?


プロローグで、悟は時計台から転落してしまう。
その時、悟の背後には何者かの影があった。

ここでは、時計台から悟を突き落とした犯人について、その候補を挙げながら検討していくことにしよう。


 犯人が内海の場合
悟を落とす動機が見当たらない。
『内海の計画の妨害者を消すため』という理由では、本編と食い違う箇所がいくつか出てきてしまう。
時計台へ登る方法も知らないようなので、犯人候補からは除外していっても良いだろう。


 犯人がゆにの場合
ゆにには動機がある。
2011年と同様に2012年でもスフィアの歴史をなぞり、2012年のスフィアで起きたことを再現するためだ。

だが、サトル編1日目でのゆにの態度を見ている限り、ゆには、悟が時計台から落ちて記憶を失ってしまったことには失望しているようだ。
もし悟が記憶を失わなかった場合、その悟はゆにと同じく歴史をなぞるように振る舞うことで、ユウキドウ計画の遂行は可能ではある。

ゆにが犯人である可能性はやや低めだ。


 犯人が榎本の場合
榎本もゆにと同様。

榎本は、悟が記憶を失ったことを苦々しく思っており(TIPSにも記述)
そして、悟が記憶を失うと分かっていたなら時計台にのぼらせるべきではなかった、という類の発言もある。

意味深な言動をとっているが、単に意味深なだけで有力な犯人候補ではないだろう。


 犯人が犬伏の場合
悟は、時計台から転落したことをきっかけとして、『オレ』の意識に支配されることになる。

このため、プレイヤーの一部である『オレ』が降臨するのを心待ちにしていた人物が犯人である線も考えられる。
それはプレイヤーの一部である『影』が宿った存在――犬伏、である。

プロローグで現れた人影が、正体のつかめない『影』だと多少強調されていたのも、彼女が犯人だと示しているのかも知れない。

ただし、彼女は時計台に登る方法を知っていなかっただろうし、登ることを榎本が許したとは思えない。
……多少、引っかかる点が残ってしまう。


 もう一人の犯人
さて、プロローグの悟の描写をもう一度良く見て欲しい。
悟は背後の影を見つけ、後ずさりし、飛行機の場面に切り替わっている間に、時計台から落ちた。

直接突き落とされた描写はないのだ。

悟は本当にその影に突き落とされたのだろうか?
単に、後ずさりして足を踏み外しただけ、というようにも考えられないだろうか?

ならば、時計台から突き落とした犯人は、何のことはない、悟自身である。

この場合問題となるのは、悟の後をつけてきた『影』の正体である。
とは言え、物語の整合性を考えても影の正体は誰であってもおかしくはない。それなりに辻褄は合う。

だが、もっとも可能性のある人物が一人いる。
それは、プレイヤー自身だ。

悟は、プレイヤーを利用したユウキドウ計画を立案したくらいなので、プレイヤーの影や気配を感じ取ることができたのではないだろうか。
悟の目には、『プレイヤー自身の影』が映っていたのではないだろうか。

悟が最後までその正体に気付かなかった原因もそこにあるのだろう。


BACK HOME