犬伏景子は本当にDIDだったのか?



 いつまでDID?
サトル編での犬伏は、ほとんど全てが犬伏景子本人の人格である。
だが、その犬伏景子単体の人格を考えた時、奇妙な点が残る。

犬伏景子はDIDのはずなのにその兆候が見られない。
サトル編での犬伏は記憶が連続しているのだ。

彼女は本当にDIDだったのか?
答えは、おそらくYESだ。
催眠導入中にもDIDの症状が出たため、間違いはないだろう。

だが、2012年の時点でもDIDだったのかといえば、NOだろう。
ゲーム期間内での彼女の人格は、記憶が連続している点から、一つに『統合』されていると考えるのが自然だろう。


 不安定な精神
犬伏は、ココロ編で挙げられていた以下の人格に似た行動を起こしている節がある。

 C:無邪気だけれどとっても泣き虫な6歳の男の子
 D:陰鬱な青年で自傷行為に走ることもある
 F:20代後半の女性で非常に淫乱
 H:内向的で物静かな優しい性格の女の子
 J:殺人鬼の人格。破壊衝動と嗜虐趣味を持つ

例えば――
ゆにと二人でかごめかごめに興じたり、
ナイフで傷つけるのと傷つけられるのどちらが好きか訊いたり、
部屋に来た悟を誘惑したり、
内海に切られた背中の傷の手当てしてくれたり、
何のためらいもなくネズミを殺したり……

以上のように、それぞれの人格の名残が彼女には残っている。
人格が統合されたとは言え、彼女の精神は不安定なのだろう。


 不安定な精神が意味するものは?
不安定な精神。
もしかしたら、彼女の人格統合はごく最近起こったのではないだろうか?
しかも、彼女の不安定な精神状況を見る限り、半ば無理やりに統合された可能性もある。

また、犬伏という名前や悟(キンパツ)のことを知らなかったりと、今までスフィアで生活してきた者とは思えない態度を取っている。
この原因は、いたずら心や不安定な精神が生んだ結果なのかも知れないが、
もしかしたら、彼女は最近、『記憶喪失』にあっているのかも知れない……。

人格の統合・記憶喪失が、最近起こったものなら、それはいつ起こったのであろうか?


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